3月24日(月)に五城目町・西野地域で百万遍念仏が行われました!
彼岸明けのこの日、五城目町は本当に良いお天気でした!
徐々に雪も溶け始め、青空が広がっていました。
「暑さ寒さも彼岸まで」とはこのことなんですね。
西野公民館で毎年行われている百万遍念仏。
公民館に到着すると、談笑するお母さん達の声が聞こえてきました。
春は鳥のさえずりも心地良いですが、
人が笑う声も穏やかな気持ちになって良いですね!
百万遍念仏に参加したのは、老人クラブのお母さん達26人です。
西野地域には上の班、下の班、四ツ屋班の3つの班があり、
輪番制で当番を務めます。
今回は四ツ屋班の皆さんが当番です。
百万遍念仏とは念仏を唱えながら数珠を回し、先祖供養をする行事です。
外を練り歩いたり、数珠を回さず、しめ縄を使う地域があったりと、
一括りに百万遍念仏と言えど、地域によって様々な個性があります。
西野地域の百万遍念仏は数百年の歴史があり、春彼岸と秋彼岸の2回行われます。
公民館の天井には3枚の掛け軸がかけられており、その前には
御膳やおまんじゅうなどのお供え物の他に、お弁当やお菓子も一緒に置かれていました。
3枚の掛け軸にはお釈迦様の臨終の姿を描いた涅槃図(ねはんず)、
十三佛(じゅうさんぶつ:故人の法要でその冥福を祈る供養の本尊)が描かれています。
涅槃図は仏教の理想である「悟りの世界」をあらわしているとも言われており、
3枚の掛け軸には強い供養の祈りが込められているようです。
数珠は麻の紐に玉が通されており、玉の一つ一つがツヤツヤと光っています。
数珠回しでの長年の摩擦によるものでしょうか。とても綺麗です。
いつもは鐘の音のみを聞きながらの数珠回しですが、
今年は鐘のほか、ラジカセで「彼岸会和讃(ひがんえわさん)」をかけながらの数珠回しになりました。
いざ数珠回しが始まって、驚いたのはその早さ!
ジャラジャラと音を立てながら、流れるように数珠が回されていきます。
数珠がピカピカに磨かれるのも頷けます!
昔は数珠を100回回していたという地域が多いのですが、
西野地域では昔から33回回すことが決まっていたそうです。
何故「33回」なのか……定かではありませんが、
「三十三観音」に関係しているのではないか、という話が上がっていました。
33回を一気に回すのは疲れるので、休憩をはさみながら回します。
休憩後、数珠回しに参加させて頂きましたが、終了間際には汗だくの私。
素早い動きをしているからでしょうか、軽いスポーツのようでした。
数珠回しを行った後は掛け軸や祭壇をしまい、直会(なおらい)が行われます。
祭壇の前にあった、たくさんのお菓子は自分が持ってきたものを家に持ち帰り、
家族と分け合って食べるそうです。
祈年祭のブログでもご紹介させて頂いた「御護符(おごふ)」と同じように、
ご家族に行事の御利益を分け与えるためのお菓子だったんですね!
このお菓子を食べると「1年間風邪をひかない」と言われています。
テーブルには、お弁当やデザート、当番の皆さんが公民館で作ったお味噌汁、そして
各家々でお母さん達が漬けたがっこ(お漬け物)が並びました。
お弁当は御膳と同じ内容のもの。ありがたい気持ちになります。
直会の食事の中には、今年不幸があった方から
「亡くなった方の供養の行事だから」
と、頂いた食べ物もあります。このことを、地域の方は「お茶をたてる」と言うそうです。
百万遍念仏行事は「地域のおばあちゃん達から自然に受け継いできた行事」と
老人クラブの千田副会長が話してくれました。
老人クラブでは百万遍念仏のほかにも花だんの整備などを行っており、
とても元気でまとまりが良い皆さんでした!
以上、良いお天気に恵まれた西野地域から
広域連携推進員らびがお届けしました♪