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産地直送ブログ

冬師(とうし)番楽の笛の「音」を後世に残そう

2014年3月20日

冬師の笛

県指定の無形民俗文化財で国記録選択となった、
にかほ市の「冬師(とうし)番楽」。
お盆の8月14日と18日に番楽を奉納し、
お正月は獅子舞の集落練り歩きも行われます。

冬師番楽は太鼓、笛、鉦、唄で「お囃し」が構成されていますが
この中でも重要なのが「笛」の存在です。

冬師番楽保存会の皆さん

2月23日(日)、元気ムラ支援室の仲介で、
東京で笛の指導をしている渡辺紅山(こうざん)先生が冬師集落を訪れ、
番楽の笛の音を楽譜化するための確認作業を行いました。

今回、渡辺先生が訪問したきっかけは、
冬師集落の笛の名手が昨年、亡くなられてしまったことです。

現在は、冬師出身で由利本荘市に住む笛の先生に来てもらっていますが
笛の担い手が途絶えると番楽存続の危機に関わります。

そこで、冬師番楽保存会では、「口伝」で受け継いできた笛の音を
楽譜におこすことで、後世に残そうとしているんです。

2013年の冬師番楽

今回、楽譜化する曲は、番楽の最初に演じられる「獅子舞」。
渡辺先生は事前に冬師番楽の映像をDVDで確認していましたが、
実際に演奏を聞いてみないと分からない点も多いとのことです。

保存会の皆さんとの確認作業を進めるうちに、
笛や太鼓などのお囃子は、「舞手」の動きに合わせて
音を出していることが見えてきました。
演目と演目の間に舞手が衣装を着替える時は、
笛で、アドリブの音を入れたり、曲の長さを調整したりして
バランスをとっているんです。

取材班は、舞手が笛の音に合わせ踊っていると思っていたのですが
「逆」なんですね。
は~、初めて知りました。

DSCF2736 普通の笛だと音が出ない

楽譜化に必要な作業の一つが、笛を押さえる「指」の位置の確認です。

冬師番楽の囃子は「3拍子」。
お隣の釜ヶ台(かまがだい)地域に伝わる番楽は「5拍子」ですが、
冬師番楽は曲が早いのが特徴で、
DVDの映像では指づかいを確認するのが困難でした。

また、DVDで確認できた冬師番楽の笛の指使いでは、
出るはずの無い高い音が出ている、という謎が出てきたのです。

「この指使いだと、この音がでる」
「この音はどうですか?」
「この指をはずさないと、あの音は出ないんだけど…」
「うん、だいぶ近い音になってきた」
……と渡辺先生が一つ一つ音の高低を確認しながら
冬師番楽の笛の音を保存会の皆さんと探っていきます。

謎の赤い笛

そして判明した事実。
それは冬師に伝わる1本の「赤い笛」だけが特殊だということ!
亡くなった笛の名手の指使いだと、普通の笛では決して出ない高音が、
なぜか赤い笛だけ出るのです。
この笛はずっと前の世代から使用していました。
音が出るように改良していったか、
もしくは最初から音が出るように作ったか……どのように作られたかは謎です。
不思議なことがあるもんです。

冬師のみんなで音を確認

現在は、楽譜化に向けて、渡辺先生との確認作業が続けられています。
秋田県内には多くの伝統芸能が受け継がれていますが、
舞の演じ手、囃し手と伝承の内容は異なります。

今回の確認作業では、番楽の存続に笛が重要なポイントを
占めるということが、よく分かりました。

広域連携推進員のリポートでした!

Author: | Category:08由利エリア, 冬師・釜ヶ台地域


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