藤里町の米田地域で古くから行われている行事があります。
秋の豊作に感謝し、神様の前で相撲を取る、それが『根城豊作相撲』です。
※根城とは、米田と呼ばれるようになる以前のこの地域の呼び名です。
当初は獅子舞などの踊りが披露される行事だったのが、明治35年頃から相撲に変わったのだそうです。
それでも100年以上続いているのですから、長い歴史を持つ行事ですね。
9月19日。
天気は朝からあいにくの雨。気温もだいぶ冷え込み、すっかり秋になりました。
にもかかわらず、地域の皆さんは各自準備を整えて、相撲が始まるのを今や遅しと待っているご様子。
それだけで、この相撲が地域の皆さんに愛されているのだと分かります。
午前中は子供たちの取り組みです。
毎年全国大会に出場している子や、体格のしっかりした子、俊敏な子など、
子供と言えど、そこらへんの大人相手なら飛ばされるかも・・・
という位の力強さでした。
観客の皆さんも、とても楽しそうです。
今年から土俵が新しくなり、以前は旧米田小学校校舎を利用していた力士待機部屋も新設されました。
そしてもう一つ、新たに加わったのが親子相撲です。
体の大きなお父さんに小さな子どもたちが向かっていく光景は、
微笑ましくもあり、とても大事な事のようにも感じられました。
お父さんと相撲を取るなんて、なかなかできる経験じゃないですよね。
うらやましい…。
午後からはいよいよ大人達の戦いです!
東西に分かれ、大関、小結、前頭など、それぞれにしこ名が決められ、
腕に記されています。
大人の取り組みは、さすがに迫力があります。
体がぶつかる度に聞こえる鈍い音。
根城豊作相撲の青年同好会は、この日の為に
2週間前から毎晩練習してきたということですから、
各自の力を思う存分発揮しているのでしょう…
でも、ところどころにちょっとしたネタも取り入れられていて、
相手の背中をバッチンバッチン平手打ちしたり、
力水を汲む柄杓を背中に忍ばせていたり。
お客さんも笑いながら応援していました。
大相撲の巡業を参考にしているということなので、
エンターテイメント性も十分にあります。
根城豊作相撲は、神様に感謝の気持ちを表す行事ですが、
この相撲を通じて、親子のつながり、地域のつながりが深くなっているように思いました。
まわしが余っている時は飛び入り参加も認められるようですので、
興味のある方は、来年の秋に、お子さんと一緒にぜひどうぞ!