11月25日、仙北市で「第4回全国縄綯(なわない)競技大会」が開催されました。
当日の様子と共に、農村が培ってきた稲わらについてリポートします。
今回の主役は稲わらの「縄」です!
会場は仙北市の「花葉館(かようかん)」。
毎年11月、平成縄綯塾主催の全国縄綯競技大会が開催されています。
※平成縄綯塾についてはこちらから!
大会の始まりは平成15年にさかのぼります。
当時の西長野小学校の運動会で行った「縄綯いリレー」が「縄綯大会」として受け継がれ
10年続くイベントとなりました。
右の写真は、これまでの大会で綯ってきた縄で、平成24年10月30日で8263.28mになりました。
目標の10,000mに達したらギネスブックに申請するそうです。
平成縄綯塾のリポートは次のブログでも紹介しているのでご覧ください。
→横手市ふるさと村 縄綯競技プレ大会(2011年)
→仙北市 第2回 全国縄綯競技大会(2010年)
開会式に駆けつけてくれた仙北市の門脇市長(写真左)。
手に持っているのは大仙市の田口さん(写真中央)が制作したわら細工です。
田口さんは自分で綯った縄も平成縄綯塾の菅原塾長(写真右)にプレゼント!
とても丁寧な作りで参加者の皆さんも感心していました。
さて、競技は10分間で綯った縄の「長さ」を競います。
昔はほとんどの農家で稲藁を使って縄を綯っていました。
出場者の男性は「今は綯う機会が無くなったが、やってみると思い出す」と話します。
縄綯いの記憶は皆さんしっかり残っているようです。
縄の測定の様子です。
これまでの最高記録は20m40cm。
今回の大会で、この記録を超える達人はでてくるのでしょうか?
横手市 金井神・上坂部地域の阿部キヌ子さんと伊藤正一さんも出場していました。
この他にも、秋田市、男鹿市、大仙市、八郎潟町、三種町、五城目町から参加している人もいます。
毎年出場する人も多く、近隣地域だけでなく口コミでじわじわと参加者を増やしています。
競技終了後は、休憩をはさみ、参加者同士の親睦を図る芸自慢大会も行われました。
踊り、カラオケなど一人一芸を披露し盛り上がりましたよ。
そして優勝は由利本荘市大内の伊藤サダ子さん!
長さ26.35mと最高記録でした。
金井神から参加した伊藤正一さんは2位。阿部キヌ子さんは努力賞。
伊藤サダ子さんも加わった金井神チーム(写真右)は団体戦でも見事優勝でした。
おめでとうございます~!
出場者全員で記念撮影。
菅原塾長は「この大会は1年に1回の“お楽しみ”。縄綯を楽しむことが大事」と話していました。
出場者は、みな幼少時代に縄綯いをした経験のある人々ばかりでした。
住む場所は異なっても、縄綯の記憶は共通。
皆さん、楽しいひとときを過ごされたようです。
「昔は全てにおいて藁が必要だった」。
出場者の男性が「稲藁文化」について教えてくれました。
稲藁で綯った縄は、今で言う「ビニールテープ」「ロープ」の役割を果たしていたといいます。
農家は綯った縄を売り収入にしていました。
また、稲藁は茅葺き屋根、風よけの外壁、雨具の蓑、
竈(かまど)の燃料、家畜のエサにも使われました。
この他にも敷き布団に入れる綿の代わりに藁を入れ、マットレス代わりにしていたそうです。
大会終了後、出場者が綯った縄を継ぎ足していきます。
目標の10000mはもちろん、秋田の縄綯文化も長く続いていって欲しいですね。
平成縄綯塾の「第4回全国縄綯競技大会」の様子を
広域的集落支援員がお届けしました。