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横手市・大屋(おおや)のちょっと変わったお祭り「山の神祭り」とは?

2012年12月10日

別名「おさんがみさん」とも呼ばれる山の神を祀るお祭りなんですが、

山の神のお祭り

取材班も行ってびっくり! 調べてびっくり!
元気ムラの取材によって判明した新事実とは!?
11月12日に行われたお祭りを取材しました! まずはご覧下さい。

大屋地域の新町地区では、
ずーっと昔から(少なくとも地域の皆さんの記憶がある限りは昔から)
春の4月12日、そして秋の11月12日に行われるお祭りです。

山神

新町の会館では、「山神」と書かれた旗が設置されました。

近くの祠

また、会館のすぐ側の祠にもあずきまんま(赤飯)を供えるそうです。

山神尊

会館の中には、「山神尊」と書かれた掛け軸が掛けられ、
神棚が作られています。

ご神体。

掛け軸と共に飾られるご神体です。
……なんでしょうねこれ? 黒い石に白い模様が。

神棚完成!

山の神様というと秋田だと女人禁制の山を守る神様、
春~秋は田の神様として祀られるというのが一般的なイメージです。
でも、大屋新町の山の神様のお祭りは「子宝・安産」のお祭りなんだそうです。
しかも、女性だけのお祭りなんです。

地元の方に由来を聞くと、弘法大師お授けの行事と言われ
「子ども達を守ってあげる」ためのお祭りだそうです。
また、横手沢の神社も関係するお祭りと言われています。
そこで、取材班は地元の公民館「さかえ館」の館長さんの案内で、
横手沢と呼ばれる大屋にほど近い沢沿いにある神社へと向かいます。

……が。

ご神……体?

神社があった場所にはその痕跡があるのみでした。

横手澤神社

そこでさらに館長さんの案内を頂いて、横手市街地の神社へと向かいます。

横手神明社の境内に、ありました! 横手澤神社です!
いつの時期かこちらに移動してきたんだそうです。

ご神体

ご神体を撮影させて頂きました。

……あれ? 山の神様のはずでしたが?
確かに子宝の神様ですね……?

新町のご神体

どうやら会館にあったご神体の方はなんとなく想像がつきました。

山神尊2

掛け軸の方の山神尊にまだ謎が残っています。
案内して頂いた神職の方に、先ほど撮影した掛け軸を見せて伺います。

注目したのは「尊」の文字です。尊と付くのはお寺のことではないかということでした。
もしくは江戸時代以前の神様と仏様が区別されず信仰されていた時期の物の可能性がありました。

そこで、元気ムラ取材班が残された左下の「正別當 福重院」の文字と
「山の神」そして「子宝・安産のお祭り」というヒント、
どうも「福重院」の文字は宮城県付近でも見られること、
山の神様に子宝や安産を祈る風習がある……。

少し調べてみたところ、
宮城県の小牛田(こごた)山神社との関連性がおぼろげながら出てきました!
電話で突撃取材です!
突然の電話にもかかわらず、神社の方から丁寧に教えて頂きました。

お話を伺ったところ、小牛田山神社は
・コノハナノサクヤビメという神様を祀っている神社である。
・この神様は子宝と安産の神様である。
・昔、神社で掛け軸を配布していた時期がある。
・江戸時代には、藩境を越えて現在の秋田・岩手・山形などもにも信仰が広がっていた。

そして、山神尊の掛け軸について伺ったところ、
・(あくまで口頭の電話で伝えた限りだと)掛け軸の様式が似ている。
・影響を受けたものであろうという推測は成り立つ。
・正別當~の部分は、明治の初めに火事に遭ってしまい、詳しいことは分からない。

というお話をいただきました。
丁寧にお答え頂いた小牛田山神社の方
本当にありがとうございました。

まさか本当に繋がりが見つかるとは思わず、
取材班もびっくりです。

さらに、このお話を栄公民館「さかえ館」を通じて大屋の皆さんに伝えたところ
・昔は宮城県の金華山や竹駒神社への参拝が行われていた。
・その中間点として小牛田山神社付近へ宿泊した。
・「小牛田山神社」の名前を覚えている方が居た。
と、こちらも繋がりを示唆するお話を頂きました!

神棚2

掛け軸も、ご神体も「子宝・安産」に繋がるのが分かったのは大きな収穫でした!

また、お祭りは年に2度行われますが、
昔はそれぞれ神社の神官とお寺の僧侶が来て
交互にお祭りを行っていたそうです。
江戸時代からの神仏混淆の信仰が生きていた貴重な証言でした。

それではお祭りの準備に戻りたいと思います。

準備中

お祭りで出される料理は折詰めもありますが
お母さん方の手作りも沢山あります。

毎回、集落の班ごとに担当して料理を作ります。
2回(つまり1年分)担当したら交代するそうです。

いものこ汁 大根の煮物

 
食用菊の和え物 卵酒

作る料理は
「いものこ汁」「大根の煮物」「菊の和え物」
さらに「卵酒」も作ります。

いものこ汁作ってます いものこ

いものこ汁は「いものこ(こだわりの山内産)」「糸こんにゃく」「セリ」「舞茸」「鶏肉」
5つの具材を使ったもの。

大根の煮物 盛りつけ中

大根の煮物は「大根」「人参」「角こんにゃく」「結び昆布」「薩摩揚げ」「椎茸」「インゲン」
7つの具材を使います。

菊の和え物 食用菊

さらに菊の和え物は「菊」「ほうれん草」「豆腐」
3つ
3、5、7と必ず「奇数」の具材を使います。
時代や班によって具材は少し変わるときがありますが
これは必ず守られているそうです。

小川さん

この料理を仕切るのが! 小川久子さんです。

仕切ります! 味見中

お母さん方をまとめて料理を次々と作っていきます。
いものこ汁の色が黒くなりすぎないように、
舞茸の湯通しを指示したり、鶏肉での出汁の取り方や使う部位の指示……。

女性だけのお祭りと言うことで日本酒だとキツいので、
甘くて美味しい卵酒を作ります。
飲んだことが無い方に説明すると
「カスタードプリンのような味」というのが一番しっくりきます。

卵を入れて。

まずは卵をボールに割り入れて。

解きほぐしてほぐして

よーく解きほぐしながら
砂糖を加えます。

投入! 完成!

最後にお燗したお酒を卵が固まらないように
少しずつ注いで……
よーく混ぜれば完成です!

昔はいものこ汁の2杯目用に「豆腐汁」を用意していました。
「のとろ汁」と呼ばれる、そぎ切りにした「豆腐」に「とろろ」「卵」が入り、
砂糖と出汁で味付けした物だったそうです。

こうして会館で行われる前は、当番の家「宿」を決めて行われていました。
個人の家で沢山の人を迎える準備を、しかもしきたりに沿って行わなければならず
それはもう大変だったことが想像できます。
今でも古い家にはこの日のための食器が数十人分(!)保管されています。

そんなとき「しらこ、準備したが?」との声が。
しらこ……白子?

小麦粉を 水で溶いて

小麦粉を水で溶いて、

砂糖IN!

砂糖をちょっと加えて練ります。
薄めのとろろぐらいの堅さでしょうか?

伺ったところ、「綺麗な子どもが生まれるように」という願いを込めて
参拝するときにちょこっとなめる物だそうです。
確かに白子ですね。

お供え物

夕方、5時を過ぎた頃からだんだん人が集まり始めました。
まず神様にお米をあげて、

おまいり

続いてお参りです。

白子を いただきます

お参りが終わったら当番の班の方から白子をもらって頂きます。

皆さん続々と集まるのかな? と思ったらそうではなく。

早速食べます。

集まった人から料理を頂いていくんです。
いものこ汁も、大根の煮物、菊の和え物に、

漬物!

漬物も沢山!

豪華!

赤飯もお母さん方の自信作です。
それに白飯も付きます。

さらに豪華な折詰め弁当です。

参加者増えました!

6時をすぎるとさらに沢山の参拝者が訪れます!

集合~

中には若い方々も参加していました!
お話を伺うと、「結婚したらお姑さんにこのお祭りに参加するように言われて」
と、女性の間で伝統をつないでいる様子を伺えます。
昔からの女子会というやつですね。

集まってます!

「昔は、こういうところにお嫁さんを出すのが良いお姑さん」と
話すお母さんもいらっしゃいました。
かつて、このお祭りに出るのが決まったときには
お姑さんに言われるままに、一番風呂に入って身を清め
一番良い着物を着て参加したそうです。

年に2回もあるので、おしゃれな人は「着ていく物がなくなる」
と嘆くほど気を使ったそうです。
地域の女性達の「顔合わせの場」という意味もありました。

伝統は受け継がれています!

山の神様のお祭りは、今も女性達だけで大事に受け継がれています。

Author: | Category:10平鹿エリア, 大屋地域


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