八峰町・石川集落で「水神祭」が行われると聞き、9月17日(月)石川集落に行って参りました。
会館に向かう前に「石川蕎麦」畑に立ち寄ってみたところ、
青空をバックに見事な蕎麦畑が広がっていました。
こちらは石川集落の稲子沢から見た風景です。
花壇の向こうには黄金色の稲穂が実っています。今年は豊作になりそうです。
さて、これらの農作業に欠かせないものの一つが「水」です。
こちらの写真は石川集落の北東にある湧水地です。
まだまだ夏の暑さが残る9月中旬、この時期、石川郷中(※)では
「水神祭(すいじんさい)」を行っています。
地域の皆さんは「水神(みずがみ)様」と呼んでいました。
農作業はもちろん、普段の暮らしに欠かすことのできない「水」の祭典です。
※石川郷中とは自治組織の名称です。詳しくは次のリンク記事をご覧ください。
→石川郷中(元気ムラウェブサイト)
石川郷中は集落独自に「石川簡易水道組合」をつくり、
各家々のメーターチェックや水道料金の徴収も行っています。
石川集落が位置する峰浜地域では、昔から自家用ポンプで地下水をくみ上げていましたが、
8月や2月の渇水期には慢性的な水不足に悩まされてきました。
昭和38年の石川大火後、石川郷中は地域の復興計画と共に
独自に簡易水道事業を立ち上げました。(峰浜村史より)
水は郷中所有の山林にある湧水地から引いています。
この山中から集落に水を引っ張ってくるんですね。
水神祭の様子です。
今年は例年にない猛暑が続き、湧き水の水量が心配されましたが、
確認したところ、安心できる量が確保されていました。
30度を超える猛暑日でしたが、湧水地周辺はとても涼しかったです。
石川のお父さんたちも「昔は仕事の途中、休憩にこの場所にきたもんだ」と話します。
湧水地の周囲は沼が多く、湿地帯のようになっているといいます。
ふと目をやれば湧水があちらこちらで流れていました。
こちらは湧水地から引いた水を貯蔵するタンク付近の写真です。
タンクに貯蔵しきれず水が余ってしまう「余水(あまりみず)」だそうです。
これだけの水があるのは凄いですね。
すぐそばには昭和46年(1971)に建設された記念碑が建っていました。
昭和38年(1963)の大火後、石川郷中は簡易水道事業の計画を立ち上げ、
集落一戸ずつから寄付金も寄せられました。
郷中所有の山林を売却し、当時の峰浜村からの借入金などで資金を集め、
昭和40年代に1,040万円の工費で簡易水道を完成させています。
現在も石川集落全戸に給水し、消火栓用水にも活用しています。
石川郷中は、農林水産省が昭和37年から毎年行っている「農林水産祭」のむらづくり部門で、
平成11年に最高の栄誉と言われる「天皇杯」を受賞しています。
石川のむらづくりの取組は次のリンク先にも詳しく掲載されています。ぜひご覧ください。
→石川郷中むらづくり紹介のウェブサイト
→農林水産省・農林水産祭ウェブサイト
水源地で儀式が終了したあとは、石川の会館に戻り、直会(なおらい)です。
石川郷長の伊勢さんは
「水は天からの授かり物、この湧水地は石川の宝、大事にしていきたい」と話していました。
今回の水神祭は「水は石川の誇り、ぜひ取り上げて欲しい」と住民の方からの情報があり
石川簡易水道組合の皆さんに協力していただき取材させてもらいました。
今後も、住民の方が大事にしているお宝をどんどん取り上げていきたいですね。
●おまけ
先日の大久保岱リポートに続き、石川でも「だまこ」&「うどん」が登場です。
だまこを食べた後のだし汁に、麺類を入れて食べている地域はこれで3件目!
山本エリア独自の食べ方と見てよさそうです。
八峰町・石川地域から「水神祭」のリポートでした!