9月25日の前編から引き続き、一夜明けた26日の三ツ方森集落から
「銀座ミツバチプロジェクト」の田中淳夫さん、大越貴之さんの集落訪問の様子をリポートします!
25日は大変盛り上がりました!
26日も三ツ方森町内会会長の猪股保さんがいろいろな場所に案内してくれます。
一夜明けた26日、少し早起きして出かける皆さん。
どこへ行くのでしょうか?
向かったのは三ツ方森集落の森。
この森には大量のミズが生えています。
ミズはウワバミソウともいい、シャキシャキとした食感が浅漬けなどにぴったりな初夏の山菜です。
ミズは秋頃に実のようなものをつけるのですが、その実は「コブ」と呼ばれ、
和え物などの料理にサクッとした食感を添えます。
サクッとした食感の中にトロッとした粘りもあり、粒が大きいほど美味しいとされています。
三ツ方森のミズのコブは立派なものばかりですよ~!
ここでお二人が体験するのは、ミズのコブの摘み取り。
「(ミズのコブが)目に入るとどんどん採っちゃいますね! 時間を忘れるなぁ。」
お二人は夢中でミズのコブを摘み取ります。
すごいですよ! 袋いっぱいです!
「三ツ方森地区多目的集会施設」に戻るとお母さん達が
ミズのコブを茎から取ってきれいにしてくれます。
その間に、私たちは猪股保さん宅の田んぼへ向かいます。
保さん宅の田んぼは山沿いにあるのですが、
その周辺はさえぎるものが無い、開けた場所です。
うおー、景色が良くて気持ちいい~!
両手をぐーっと上げて思いっきり伸びをしたくなります。
最初は稲の手刈りを体験してみます。
まずは保さんがお手本を見せてくれます。
その手さばきの早いこと早いこと!
ザクッザクッとあっと言う間に刈り取ってしまいます。
3秒もかかっていないんじゃないでしょうか。
さすがプロ!
負けじとお二人も稲の手刈りを体験します。
手刈りの体験をした後は「バインダー」で稲刈り体験!
このバインダーには、すごく便利な機能があるんです!
ザクッと刈り取って……
ぽん。
……と、稲が束ねられた状態で出てくるんです!
田中さんと大越さんは「ヤンマーすごい!」と感動しながら
稲を刈り取っていました。
と、そこまではバインダーがやってくれますが……。
はさがけの場所まで持って行くために
稲を10束ずつ集めてまとめるのは自分たちでやらねばなりません。
これがまた難しいんです!
結びがあまいと稲が落ちてきてバラバラになってしまうので
結び方にコツが必要なようでした。
「あれ、こうやって……こう、でしたっけ」
大越さん苦戦中です(汗)
一方田中さんは早くもコツをつかんだのかパッパと束をまとめていきます。
悔しそうな大越さん。
大越さん、ファイト!
その様子をニコニコしながら見ている保さん。
なんだか、ほのぼのしてしまいました。
3人で稲刈ったど~!
さぁ、稲刈り体験の後は、はさがけ体験。
青空の下にたくさんの稲が干されている様子がのどかで素敵です!
お日様の下で乾燥されたお米は、乾燥機で乾燥させたお米よりも
一味違うそうです。
先ほど束にしたものを1束ずつかけていきます。
「稲刈り体験ツアーとかやったら面白そうですよね。」
「それで自分ではさがけしたところを買い取りできるとか。」
「「ここ私が干したんだよー」って買いたくなりますよね!」
会話が弾み、はさがけ作業も着々と進みます。
はさがけ完了です~。
ここで3人で記念撮影をしましょうっ!
「銀座ミツバチプロジェクト」といったらこのかけ声!
「ハニーフラッシュ!」
皆さん良い笑顔ですね♪
さて、25日にわらびの根っ子から根花粉(ねばなこ)抽出作業を行っていましたね。
その成果はいかに!?
写真では見えづらいのですが、泥のようなものの中に
所々白くなっているところがあるのがわかりますか?
その白くなっている所が根花粉(白根花)です。
25日に行った作業を行うと3㎏のわらびの根から800グラムほどを抽出できますが、
その時々の作業の仕方で採れる分量も変動するそうです。
さぁ、お昼ご飯は大きなおにぎりにミズたたきの冷やし汁などが並びました!
農作業後の冷やし汁は格別ですね!
三ツ方森のミズたたきの冷やし汁は上品な味わいでとっても美味しいんです。
お二人に山ワサビの醤油漬けやミズの浅漬け、ミズのコブの醤油漬け、きんぴらゴボウなどを
三ツ方森集落の味を瓶詰めにしてお土産に。
なんだか良いですよね~、こういうの。
三ツ方森集落の皆さんは、車が見えなくなるまで手を振り
お二人をお見送りしていました。
さて、一行は三ツ方森集落と同じ由利本荘市内の赤田地域へと向かいます。
●赤田の御橋(昨年撮影)
赤田地域は「道の駅大内」から約5分ほどの場所に位置し、
日本三大長谷観音の一つ「赤田の大仏」が有名です。
赤田の大仏が祀られている長谷寺(ちょうこくじ)から道路を挟んで向かい側にある
東光館には、工芸品や赤田地域で栽培しているブルーベリーで作ったジャムなどが
販売されているほか、秋田を代表する日本画家、堀川達三郎の美術館もあります。
その東光館の駐車場には赤田の特産品が並ぶ
「赤田ふれあい直売所」が今年3月にオープンしたばかりです!
そんな赤田地域で最も大切にしていることは、やはり是山和尚への信仰の心。
今回は、赤田町内会の遠藤会長(写真左側)と
東光館の高橋さん(写真右側)が是山和尚の話を交えながら
長谷寺や東光館内の堀川達三郎美術館を案内&解説してくれます。
まず私たちが向かったのは長谷寺。
ここでは200年以上続く大祭「赤田大仏祭り」が行われています。
●今年の赤田大仏祭りの様子
「赤田大仏祭り」は神仏習合の珍しいお祭りで、2日間行われます。
1日目は長谷寺から赤田神明社へ
赤田大仏の分身とされる観音菩薩像が「三種の神器」とともに渡り、
2日目は赤田神明社から長谷寺へ、188もの役割を持った方々の長い列に伴って
御神輿で盛大にお戻りになられます。
一つの役割に数人が就いているものもあるので、
実際の行列は188人以上の人数で行われているのです。
赤田の大仏祭りの日には不思議と天気がひどく崩れることはなく
今年を含め202回、大仏祭りを始めてから一度も中止をしたことがありません。
※昨年行われた201年祭はコチラ!
※今年行われた大仏祭りはコチラ!
赤田の大仏祭りが始まったのは、是山和尚が長谷寺に赤田の大仏を造った後といわれています。
是山和尚は長谷寺を開山したとされ、幼少の頃から神童と呼ばれていました。
赤田村に生まれた是山和尚は、5歳の頃に草刈り鎌で石仏を彫り、
6歳には一度聞いたお経を暗誦したといいます。
また、同じ由利本荘市内の滝集落にある
滝温泉は是山和尚が鉱泉を確認したことで開湯したと伝わります。
是山和尚をねたむ者もあらわれ、松ヶ崎から追われたり、
「山が荒れたのは是山和尚のせいだ」という嘘の噂を流されたりしたこともありました。
山狩りから身を隠す是山和尚への食事と一緒に願い事を書いた手紙を置いておくと
どこからともなくお経が聞こえてきたそうです。
是山和尚は80歳で静かに息を引き取り、
長谷寺のそばにある「舎利堂」で今も信仰をあつめています。
赤田大仏祭りにはこちらの舎利堂の前で奉納舞が舞われます。
●奉納舞(今年撮影)
さて、お待たせしました!
こちらが高さ9mを誇る「赤田の大仏」です!
実際に見ると、写真では伝わりにくい迫力があります!
高さがあるためにこの日まで気がつかなかったのですが、
大仏様の頭上には10の面がありました。
大仏様のお顔が「本面」、そして頭上のお顔が「変化面」と
言うのだそうです。
だから「十一面観音立像」なんですよね……(汗)
失礼しました……。
「赤田の大仏」や長谷寺の歴史、是山和尚の話など
たくさんの話を遠藤会長と高橋さんから聞くことができました!
その後「赤田ふれあい直売所」
東光館内の堀川達三郎美術館や
赤田五峰苑内に昨年設置された「ピザ窯」など
様々な赤田地域の「お宝」を見せていただきました!
そして、赤田地域から少し足を伸ばし「折渡地蔵尊」にも
案内していただきました。
「折渡地蔵尊」は今から約200年前に延命地蔵尊として是山和尚が建立しました。
通行人の安全や子安地蔵としても知られ、イボトリ地蔵としても有名なのだそうです。
2つの地域のお宝を一気に見られ、とっても贅沢な気分になれた2日間でした!
「毎日何気なく食べているものには里山や奥山そして
海のたくさんの地域が関わり、多くの人の想いが込められている。」
「ファーム・エイド銀座」のホームページに書かれていた言葉です。
集落での2日間の体験や出会いで、お二人にはきっと
たくさんのメッセージが届いたのではないでしょうか。
空を一直線に流れる飛行機雲に、「この出会いは繋がっていく」
ということを感じずにはいられない2日間のリポートでした!