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産地直送ブログ

根子番楽と八木沢番楽が200年の時を超えて競演しました!

2012年9月11日

広大な棚田と山並みを背景に、同じルーツを持つ根子(ねっこ)番楽と八木沢(やぎさわ)番楽が実に200年前に分かれてから初めて8月18日(土)に競演しました!
253やぎ飛ぶ大
上小阿仁村(かみこあにむら)の八木沢集落で開かれている「第5回大地の芸術祭/上小阿仁村 飛び地開催」の伝統芸能イベントでの歴史的瞬間です。棚田に設置された舞台では新潟県十日町と北秋田市、上小阿仁村の5団体が熱演し、大勢の観客が楽しみました。

八木沢集落では9月17日まで大地の芸術祭が開かれています。
情報発信地である八木沢公民館は以前、沖田面(おきたおもて)小学校の八木沢分校でした。大地の芸術祭期間中は多くの芸術作品が展示されていますので楽しんで下さい。
085彫刻 090屏風

今は使われていない棚田にも彫刻作品などが設置され、周囲の緑深い山々に溶け込んでいます。

伝統芸能イベントの開始まで、八木沢公民館でアイスコーヒーを頂きました。壁に
「30分以上の歩行がお辛い方には車の通行許可証を発行いたします」
との案内がありました。
082通行許可

この日、外は暑いのなんの。熱中症の恐れもある状態でした。
集落内に点在する作品の鑑賞は原則徒歩ですが健康状況によっては車で移動できます。

伝統芸能のイベント会場に歩いて向かいます。
道路沿いには冬に備えた薪の山が積まれています。
031石碑 032田んぼ

石碑があり、田んぼの稲が青々としています。

047皆川 066木彫

少し高台に、皆川嘉博氏の彫刻「野焼作品+馬具」(写真左)がありました。足下にはカボチャの葉が茂り、実もついています。ウーム、面白いですね。
木彫も皆川氏の作品です。

079格子模様 035アモ穴

格子状にカラフルに設置した長沢桂一氏の作品が見えました(写真左)。
収獲した稲を自然乾燥させるために使っていた“棒”(アモと呼んでいます)に作品を吊しています。
右の写真は、ポスターにデザインされている“アモ”の穴から眺めた光景です。

036青空
“アモ”を金属板の台の上に載せた芝山昌也氏(秋田公立美術工芸短期大学准教授)の作品です。
鏡のような台に青空が写し込まれて不思議な光景を醸し出していますね~。

007芝山 010連続

棚田に設置された、杉板張りの大きな舞台に着きました。
芝山昌也氏の彫刻から、番楽の舞台を“芸術的”にのぞいて見ました(写真左)。
写真右も、芝山氏の作品です。

会場の棚田は「西山下地区」にあります。案内看板によると面積は約5・8ヘクタール。傾斜地のため一枚一枚は小面積で全部で323枚ありますが、耕作者の高齢化などが原因で20年ほど前から水稲の作付けは行われていません。
野菜を栽培している畑が所々にあり、地域おこし協力隊員がまいたそばの種が芽を出す畑もありました。
稲刈りの時に使われていた棒の“アモ”が驚きの変化です(写真右下)!
022そば畑 024アモネット

午後3時30分、伝統芸能イベントの開始です。
上小阿仁村長ほかの方の挨拶がありました。

演目は
1、仁田(にた)天神ばやし(新潟県十日町)。
2、小沢田(こさわだ)駒踊り。
3、大林獅子踊り。
4、八木沢番楽。
5、根子番楽。

です。

100仁田天神ばやし 109小沢田

「仁田天神ばやし」では、お祝いの席で歌われる豊作祈願の唄が披露されました。「この唄が始まらないと、酒をつぎに出てもいけない」と関係者が説明していました。
はるばる新潟から来た仁田の皆さんですが、8月5日には上小阿仁村の伝統芸能が仁田で披露されるなど、二つの集落は大地の芸術祭を通して交流が行われています。

小沢田駒踊りと大林獅子踊りはいずれも上小阿仁村に伝わる郷土芸能で、ともに上小阿仁中学校の生徒たちが学んで学校祭などで発表しています。

小沢田の駒踊りは激しいものでした。
飛び跳ねる高さが半端ではないです。
馬の尾っぽもついていて、横から見るときれいです。
130駒踏み
148駒踏み 155アップ

大林獅子踊りの登場です。
最初は大名行列があり、踊りが披露されました。
160大名 180観客

次の獅子踊りが面白かったです。
先導役(道化役?)の男性と獅子との駆け引きが絶妙です。
195獅子
203待つ 204逃げる

先導役は寝ている獅子を起こしたり獅子の急な動きにびっくりしたり……。
舞台の周りでは踊り手もその“駆け引き”を楽しんでいて、和やかな時間が過ぎていきます。
暑い日差しも、次第に日が落ちてきて、過ごしやすくなってきました。

八木沢番楽が始まりました。

222やっこ 243やぎさわ

言い伝えでは、1813年に根子集落から移り住んだ男性が八木沢に番楽を伝えたと言われています。八木沢番楽は20年ほど前に一度途絶えましたが、2年前に地域おこし協力隊と上小阿仁中学校の生徒達が保存会の協力のもと復活させました。

まずは「奴(やっこ)」です。
舞台上の幕はかなり年季が入っています。

次は、牛若丸が弁慶の長刀(なぎなた)に乗る「鞍馬」です。決まっていました。
水原250 観客248

その弁慶役をしているのが、地域おこし協力隊員の水原聡一郎さんです。すごい跳躍力です。(ブログのトップページがその画像です)
若い力があふれていますね。

258やぎ

演じた八木沢の人達が舞台に勢揃いしました。
観客から盛大な拍手が巻き起こりました。

260観客パノラマ-2
舞台の上方(西側)の棚田には大勢の観客です(2枚の写真を合成しました)。

そして最後は根子番楽です。
288根子 303根子

根子番楽は秋田県内ばかりでなく全国的にも有名です。
公演依頼が多数あるほか毎週水曜日に練習しているため“完成度”が高いです。

根子集落と八木沢集落は大きい山2つを越せば行けると言われます。
地図上の直線距離は10キロメートルほど。八木沢集落で子ども時代を過ごした方に伺うと、「2時間半から3時間歩くと根子に着けた」という話がありました。ただし、今では道がだいぶ消えているそうです。

304根子

番楽を横から見ました。奥の方向に公民館があります。
観客は写真の左手にも大勢の方がいます。

306根子右後ろ

舞台の右後方から撮りました。
棚田の方向に大勢の観客がいるのが分かると思います。

307背景_4

観客席の写真を4枚合成したものです。広~~いですね。

313女性観客 316根子日が落ちる

根子番楽の「曽我兄弟」です。
出演が終わった上小阿仁中学校の生徒たちも熱心に見ています。
若い女性の観客が多いですね。夫婦連れの方も多くいました。
次第に日が沈み、舞台上はすっぽりと山の影に覆われます。向かいの山に映える影(写真右)も自然が織りなす“芸術作品”と言えるでしょうか?

317根子幕 319根子

弁慶と牛若丸との闘いです。

八木沢番楽と根子番楽の競演について、八木沢番楽の関係者にお話を伺いました。
「同じ場所で踊るのは今日が初めてです。踊りがだいぶ違います。根子から分かれてきた当時と200年近く経っているから、はっきり違って見えます」と歴史の重みを感じているようでした。

元八木沢在住の村田肇さん(78)は秋田市に住んでいますが「上小阿仁中学校の生徒に一昨年から昔のままの番楽を教えています。『鞍馬』は教えたので今後は『曾我兄弟』を伝えたい」と言っていました。

「また機会があれば八木沢番楽と競演したい」と語ったのは根子番楽副会長の佐藤昭夫さん(64)です。「テンポは違うが踊りは似ている」と話していました。

見学に来た上小阿仁村の鈴木和美さん(57)に感想を伺いました。「番楽を見たのは初めてです。こんなに伝統のある芸能が地域にあるのを誇りに思います。子ども達までやっているのは素晴らしい。残していかないといけないと思いました」と感激していました。

以上、八木沢集落の「大地の芸術祭」伝統芸能イベントのリポートでした。

※「第5回 大地の芸術祭/上小阿仁村 飛び地開催」の公式ページ。

「大地の芸術祭」に向けGO! 八木沢で「フレーム織り」!はこちら

大地の芸術祭 KAMIKOANIプロジェクト!-第一部 番楽サミットーの様子はこちらです。

上小阿仁村八木沢地域をこちらで紹介しています。

Author: | Category:05北秋田エリア, 7 集落間交流, 八木沢地域, 根子(ねっこ)地域


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