今年のゴールデンウィークは、みなさんどのように過ごされましたか?
5月5日、由利本荘市の鳥海町・中直根地域で直根(ひたね)神社の例大祭が行われました。
鳥海町の春の祭典をリポートします!
ゴールデンウィーク後半、秋田県内では、桜が散り始めた地域もあれば、
湯沢市の内町・御屋敷地域のように桜が満開になった地域もありました。
鳥海町の春は一味違いますよ!
中直根地域では、ふきのとう(ばっけ)が、土の中から顔を出していました。
桜とカタクリが一緒に花を咲かせ、さらに山々は、ブナの新緑の合間から残雪が見えます。
一言で「春」といっても、地域によってその姿は異なるんですね~
今回のリポートは、中直根町内のお隣、前ノ沢町内で行われる「直根神社」の例大祭です。
太平洋戦争後に、戦没者の慰霊祭を始めたのがきっかけといわれ、
毎年、前ノ沢町内会が神社への奉納物を持って、集落の練り歩きを行っています。
直根神社の敷地内にある前ノ沢会館で、前ノ沢町内のみなさんが儀式を行います。
写真は「座敷唄」を唄っている様子です。
座敷唄、庭唄、所望唄、道中唄、参道唄と、
練り歩きの最中の唄は場所によって異なると言われています。
このあと約30人で、神社に奉納する「注連縄(しめなわ)」「御神酒」「紅白餅」を担いで、
約1時間半かけて前ノ沢町内~中直根町内を練り歩きます。
今年、奉納する注連縄や紅白餅は、前日に1日がかりで前ノ沢町内会のみなさんが制作しました。
婦人会のお母さんたちが作る「紅白餅」は、食べると風邪を引かない! といわれてますよ。
道ゆく自動車にも「紅白餅」をおすそ分けします。
「ジョヤサ!ジョヤサ!」と掛け声が勇ましい前ノ沢の男衆。
藁(わら)で作られた腰蓑をまとい、木の名札を持つ姿は、
同じ鳥海町の上笹子(じねご)で行われる月山神社祭典と、そっくりです。
鳥海町のアイデンティティを感じさせられますね。
目を見張るような真っ赤な着物姿の女性たちも同行しています。
その場に応じて、女性たちによる「サイサイ踊り」も披露されます。
今年は残念ながら霧雨が降る中の祭典となりましたが、雨にも負けず、練り歩きました。
練り歩きの後は、神社に戻って「注連縄」「御神酒」「紅白餅」を奉納し、
前ノ沢番楽の獅子舞が演じられました。
少子高齢化の影響もあり、毎年、参加人数は少なくなってきていると言います。
しかし今年は、直根小学校の児童が応援にかけつけてくれました!
時代の変遷とともに、行事の形態も少しずつ変わっていきますが、
前ノ沢のみなさんは、「20戸の小さな集落ですが、他と比べ圧倒的に行事がある!」と
自分たちの集落行事を誇りに感じています。
鳥海前ノ沢太鼓保存会のホームページには、前ノ沢の四季折々の集落行事の様子が紹介されているので、ぜひご覧くださいね~!
●鳥海前ノ沢太鼓保存会ホームページはこちらから
2010年 直根神社祭典の様子
直根神社の例大祭は、昔は5月20日ごろ、田植えが終了してから行われていたと言います。
現在は、祭典が終了すると、田植え作業が本格化していきます。
白い雪に覆われていた集落に春を告げる、直根神社例大祭のリポートでした!