2月15日、小野、泉沢で行われた「大般若」。
大般若経を読んで集落の家内安全、子孫繁栄などを祈願するものです。
泉沢にある泉神社、かつて「泉光院」と呼ばれる修験のお寺(法印寺)だったそうです。
明治時代、廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)という、神仏分離の動きがあった時に、
神仏習合の修験道は神社になるか、一般家庭になるか、を迫られ、
ここ泉沢のお寺は神社になったんだそうです。
昔は病気になれば薬を調合したり加持祈祷をしたりと、
村のお医者さん的役割も担ってきたという歴史があります。
「般若絵上諸仏菩薩像(はんにゃえじょうしょぶつぼさつぞう)」集落に伝えられている修験のお寺のものだそうです。
この絵を前に、現在地域の方々が檀家になっているお寺から僧侶の方がいらしてお経をあげます。
あげるのですが、なにやら途中でみなさん小銭の準備をはじめます。
どうするんでしょう?
終わりごろ「ちゃりん」と音が?
なんと! みなさん次々にお賽銭をお坊さんめがけて投げていきます。
昔は当たると縁起がいいと言うことで、もっと遠慮なく(!?)ぶつけていたそうです。
畳に小銭が……。
今度はみなさんに向けてお経が読まれます。
かつて一度やめようと言うことになったそうですが。
その年、集落ではインフルエンザが大流行し、存続が決まったそうです。
お札とお米をいただき、お米は朝ご飯と一緒に炊いていただきます。
ここは佐竹南家の家臣団の住んだ地域と言われ、武家屋敷もあります。
この大般若に番楽、伝統を今も集落で守り続けているのです。
さて、行事が終わった後に出される汁ものですが、
中に入っているお魚は? コレ、サバの缶詰ですね!
「缶詰汁」と呼ばれる料理、昔、御馳走を何かお坊様に、
と言ったときに、地元のお母さん方が考え出した料理、今もこの行事のたびに出されるそうです。
作り方はいたって簡単、白だし醤油に、ネギ、豆腐、サバの水煮缶詰を入れるだけ
ところが、そうとは思えないほどの深い出汁! 昔はサンマで作っていたそうです。
長い伝統を感じる行事でした!