秋田の雪遊びを堪能した国際教養大学のみなさん。
餅つきも終了し、一息ついたら、待ちに待った「夕食交流会」です。
ボリューム満点な「坂之下の夜」の様子をご紹介していきます。
一面、銀世界だった昼のかまくら会場も、日が暮れ、すっかり夜の風景に様変わりしました。
たっぷり遊んだので、そろそろお腹がすいてくる時間です。
●「あずきもち」と「すましもち」
夕方にみんなでついたお餅が、さっそく夕食に登場しました!
坂之下では、お汁粉のことを「あずき餅」、
お雑煮は「すまし餅」と呼ぶのがポピュラーだそうです。
すまし餅は、鶏肉のガラでとった出し汁を醤油で味付けし、
まいたけ、せり、薄揚げ、人参と具材たっぷりの栄養満点なお雑煮でした。
昔から冬のご馳走といえば「お餅」。
坂之下では、自宅でついたお餅は、隣近所にふるまい、また隣の家が餅をつけば、
やはり、隣の家の人が餅をふるまってくれたそうです。
●坂之下の「和」のバイキング
こちらは、女性陣が手作りで持ち寄ったお料理の数々!
子吉川でとれた鮎の甘露煮に、銀杏やくるみを一緒に炊き込んだおこわ、
グレープや珈琲のババロアは、ムースと寒天が一緒なのに、
くっきり分離してて見た目が、とっても綺麗!
漬けこんだカブで野沢菜を巻いたお漬物など、盛りだくさんの手料理が勢ぞろいしました。
まさに「和」のバイキングの誕生!
このバイキング方式が留学生のみなさんに大好評で、人気コーナーとなってました。
●留学生からのお土産
こちらは、留学生のみなさんが、用意してくれたお菓子とお土産です。
左のケーキは、どう見ても手作りですよ。
留学生のみなさんの心使いに、「ほっこり」してしまいました。
●住民と留学生の交流タイム
交流会では、ハワイ出身の学生さんを中心に「フラダンス」を披露。
※ちなみにこのフラダンスは、後々の伏線になっているので、
みなさんお忘れのないように~
美味しい手料理を味わったあとは、親子ほど年の離れた住民と学生のお話タイム。
宿泊するホストファミリーの方との顔合わせなど、
学生さんが、すっかり坂之下に打ち解けてきたころ……
「“ししめ”きたよ~」
「ししめ」とは、「獅子舞(ししまい)」が省略され短くなったもの。
夕食交流会に来てくれたのは「坂ノ下番楽保存会」のみなさんです!
法被の後ろに描かれた龍が、これまたかっこいい!
住民のみなさんが、地域の一番の宝にあげる「坂ノ下番楽」が
留学生のみなさんを前に披露されました。
※ちなみに坂ノ下番楽の動画は、秋田民俗芸能アーカイブスで閲覧することができますので、
この機会に、ぜひチェックしてみてください!
坂之下番楽保存会・会長の茂木勇一(右)さんが、
「獅子が、みんなの悪いところを吸い取っているって、翻訳お願いね(笑)」と、
国際教養大学のスタッフさんにお願いしてましたが、
『獅子舞い』の英訳って……「ライオンダンス」?
日本語独特のニュアンスを完全に伝えるのは、本当に難しそう。
獅子舞を演じるのは、地域の名手と言われる茂木和也さん(左)と、茂木仁(右)さん。
坂ノ下番楽は、先日、国記録選択無形民俗文化財に答申したばかりの
鳥海山北麓の獅子舞番楽の一つに数えられています。
今年の幕開きとなった1月21日のカダーレでの獅子舞は仁さんが演じ、
運動会の時の「餅つき舞」も仁さんが演じたそうですよ!
見入る学生のみなさん。
坂ノ下番楽は、「少年番楽」というシステムで、後継者の育成を行ってきました。
父親が、番楽の練習場所にいくと、その子供も自然と練習についていきます。
その子供たちが、自然と番楽をやるようになるんだそうです。
「耳で完璧に(リズム)を覚えている」と、会長の茂木勇一さんは話します。
保存会のみなさんは、先輩たちが獅子を舞う姿を見て、自らの舞に磨きをかけてきました。
国指定の登録段階に入った坂ノ下番楽ですが、
地域に受け継がれてきた番楽への「思い」は、きっと変わらないのだと思います。
保存会のみなさんとの会話に花を咲かせる国際教養大学のみなさん。
竿灯で笛を担当している女性は、笛の音が鳴り響くと歓声をあげていましたよ。
ふけゆく、坂之下の夜。
学生のみなさんは、それぞれのホストファミリーの家に移動しました。
きっと、楽しい会話が家々で飛び交ったことでしょう。
時間がたつにつれ、表情が柔らかくなっていく学生のみなさんを見ながら
そんなことを感じました。
さぁ、次回は、雪山登山に石窯ピザにそば作りと、
盛りだくさんの「後編」をお送りします!