1月11日に、にかほ市・横岡地域で行われたのは、
横岡地域を古くから守る「サエの神様」の小屋建てです!
1月15、16日に、横岡地域と大森地域では毎年「上郷の小正月行事」という
「国の重要無形民族文化財」に指定された年中行事が行われており、
今回建てられたサエの神小屋は、その行事の中で15日、サエの神様と共に焼かれます。
こちらの行事は、男の子のみが参加できる行事です。
※平成23年に行われた「上郷の小正月行事」の様子はコチラから!⇒前編・後編
サエの神様を祀っている地区は全部で4か所で、横岡地域の一番奥から
「寺地(てらじ)」、「中屋敷(なかやしき)」、「中野下(なかのしも)」、「下村(しもむら)」となっています。
サエの神小屋は、その地区の方々によって、それぞれの地域で別個に建てられました。
この日は、雪が降り続いていました。
11日の小屋建ての時はいつも吹雪いていたそうですが、今年は静かな天気だと地域の方が話してくださいました。
サエの神小屋は、それぞれの地区によって、建て方が少し違ったり、外からの見た目なども違ったりと、
同じサエの神小屋でも、それぞれの地区の色がでています。
小屋の骨組が竹の地区があれば……
こちらの地区は松の木で骨組みを作ります!
骨組みを結ぶ時は、「いぼ結び」という結び方をして、しっかりと結んでいくのだそうです。
骨組みができると、山盛りに積み上げられた藁を縄で規則正しく骨組みに縛り付けていき、
小屋の中からも縄を通し、頑丈に作り上げていきます。
藁の量は、上の写真(左)だけでは足りません。この後、もう一山分くらいが追加されました。
小屋の屋根を作っていきます。横岡地域では屋根のことを「ぐし」と言うそうです。
大きな束になっている藁を一人が持ち上げ、屋根にいる人が屋根部分へ括り付けていく作業。
今までの作業もそうでしたが、結構な重労働です(汗)
屋根が出来たら、小屋の奥へ一番古くから地区に祀られていたサエの神様を祀ります。
今年は平成20年に奉納されたサエの神様のご神体が3本祀られました。
寺地地区のサエの神様のご神体は、寺地地区の伊藤直治郎(いとうなおじろう)さんが
毎年作って奉納しているのだそうです。
直治郎さんがサエの神様のご神体を作り始めたのは、もう30年以上も前のこと。
それ以来、直治郎さんは毎年欠かさず、サエの神様のご神体を奉納しています。
さぁ、完成まであと少しです。
入口や、その近くに男性のシンボルを省略したものとされる「ヌサ」を括り付けます。
「ヌサ」は、昆布、小魚、スルメ、ユズリ葉、糸、炭、干し柿、御幣を藁で束ねたもので、
1月2日の朝、それぞれの家々の男性の数だけ、その家の戸主(こしゅ)が作り、
その年のアキ(明け)の方(その年々で変わる恵方のこと)に吊るしておきます。
アキの方にヌサを吊るしておくことで、その年の五穀豊穣を願うのだそうです。
ついに完成です!
準備から完成まで、およそ2時間の作業でした。
サエの神小屋は、以前、今の3倍くらいの大きさがあり、内部には藁を敷き、火鉢が置かれました。
以前は小屋が出来てから、小屋を焼く15日早朝まで、子ども達はサエの神小屋に泊まって、火鉢でお餅を焼いて食べたり、
甘酒を飲んだりして過ごしたそうです。
「昔は、遊ぶものもなかったから、楽しみだった。」と地域の方が話してくださいました。
ひとつの小屋に15、6人の子ども達が入った頃もあり、子ども達から「小屋をもっと大きくしてけれ~」
とお願いされたこともあったそうです。
それでは、最後にそれぞれの地区で建てられたサエの神小屋をご紹介!
●下村地区
●中野下地区
●中屋敷地区
●寺地地区
皆さん、本当にお疲れ様でした!
以上、横岡地域から、サエの神小屋建てのリポートでした!