JR院内駅を降りると、目の前に長く伸びる標高210mの小高い山を見ることが出来ます。現在「館山」と呼ばれているこの山は、かつて法領館と呼ばれ、後に院内城と呼ばれた中世の城館跡です。
初代城主は桓武天皇の末孫「三浦大輔義明」18代目「義末」と言われています。しかし、暦応2年(1339年)に小野寺氏の家臣「柿崎四朗左衛門」に攻められ落城し、小野寺氏の支配下となりました。その後、山形に拠点を持つ最上氏が攻め入った際には、周囲の城を次々と落とされる中、家臣団の奮闘により激戦の末、双方被害甚大ながら引き分けに持ち込んだと伝わります。
慶長6年(1601年)小野寺氏の滅亡と共に院内城の歴史も終わり、翌年の慶長7年(1602年)には佐竹氏が秋田へと入り、この地は院内銀山の開発に伴い、箭田野(やだの)氏、大山氏などが治めることになります。
現在は頂上に祠が残っており、そこから街道筋、境の山々を遠く見渡すことができ、要衝の地だったことを伺わせます。また、山麓には神明社、山神社が祀られ、地域の信仰を集める場ともなっています。
紅葉が見事なのも見逃せないポイントとなっており、秋には色とりどりの紅葉を麓から楽しむことが出来ます。
平成24(2012)年5月掲載
■参考資料『歴史を刻む「銀山と関所」の町 院内』
『現地説明看板』
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