画像:あきた白神りんどう生産組合

  藤里町大沢地域の田園風景の中に、紫や白などの小ぶりな花を咲かせる「りんどう」の畑が見えてきます。その畑のすぐ側、小高い丘の上に作業場があります。

 「あきた白神りんどう生産組合」の組合員である菊池昇一さんは、「大沢地区活動推進協議会」の会長でもあります。以前は組合長も務めておりました。もともと農業に従事していた菊地さんは、藤里町がりんどうの栽培をする希望者を募集した際、説明会に出かけ、そこでりんどうの栽培を行おうと決意しました。

 現在、菊地さんが所有するりんどう畑は5反歩(約5000㎡)あり、「極早生」「パステル」「深山秋」など9種類のりんどうを栽培しています。品種によって6月下旬の早い時期から収穫を迎えるものもあれば、10月末頃と遅い時期に花を咲かせる品種もあります。色も紫色、白色、さらに白色と紫色のグラデーションがかかった品種など、様々な種類があります。

盆花としても人気が高いりんどうは、8月頃に最盛期を迎えます。収穫は早朝から行われ、作業場では組合員同士で分担しながら選別作業を行います。選別作業がしやすいようにりんどうに付いた朝露や雨を扇風機で乾かし、花がついている段数によって茎の長さが揃えられます。この作業は、最盛期には夜遅くまで行われることもあります。
 
 生産組合で栽培しているりんどうは、秋田県内のみならず、宮城県・仙台市や埼玉県、お盆の時期には大阪府にも出荷されています。
 菊地さんは、りんどうに病気をつけないための防除や、茎が曲がってしまわないようにネットの高さを成長に合わせて調節するなど、良い品質のりんどうを出荷できるように心がけていますが、基本的には自然のまま育てることをモットーとしています。
菊地さんは「りんどうが藤里町の特産品になったら良いなあ」と話してくれました。
 
大沢地域ですくすくと育ったりんどうは、大沢地域の行事などにも登場し、行事に彩りを添えています。
平成27(2015)年3月掲載

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