きゃの汁は秋田県内の各地に伝わる正月料理です。
かつて女性にとって正月はたいへん忙しいもので、料理をこしらえる余裕がありませんでした。そのため、きゃの汁を大きな鍋に作っておき、正月中は、いつでも食べられるようにしておきました。そのつど小鍋に取り、囲炉裏で温めていたそうです。
主な具材はすり潰した豆、塩漬けした山菜、きのこ、大根、にんじん、じゃがいも、こんにゃく、豆腐、油揚げなど。入れる食材は各家庭で違いますが、最低でも5種類、多くて10数種類、とにかく具だくさんなことが特徴です。
さいの目に切られた具材は大変食べやすく、噛まずに飲み込めるほどです。それに日が経つほど汁の味が染み込むため、毎日飽きずに食べられます。
さいの目に切られた具材は大変食べやすく、噛まずに飲み込めるほどです。それに日が経つほど汁の味が染み込むため、毎日飽きずに食べられます。
これで女性は一息ついて、正月の慌ただしさから解放されていたのでしょう。
平成22(2010)年4月掲載
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