画像:タケノコの皮の卒業証書

 大館市の旧田代町に属する越山地域には、133年もの歴史があった越山小学校の校舎が残され、現在は大館市の田代公民館越山分館として活用されています。

 越山小学校は、明治8(1875)年7月25日に越山地域の北側、大館市岩瀬長谷地の鳥潟民之助さんの家に山田小学校の分教室が開設されたのがはじまりです。
現在、その場所は、地域の人に「学校の家」と呼ばれ、創立120周年には記念として「発祥の地碑」が建立されました。
 
 そんな越山小学校では平成6年度から、地元の彫刻家の方の発案により、タケノコの皮を使った珍しい卒業証書が作られていました。地元・田代岳で採れたタケノコの皮を使って、卒業証書のための和紙づくりを、子どもたちが自ら取り組んでいました。
 
 閉校の平成20(2008)年3月には、卒業生にタケノコの皮の卒業証書、5年生以下の在校生にはタケノコの皮を使った「在籍記念証」を発行しました。閉校と共に、作られるのは最後になったタケノコの皮の卒業証書。学び舎から巣立っていった子どもたちの手元に、そしてそれぞれの胸の中に、ふるさとの色を感じられる卒業証書の思い出は、深く残っていくことでしょう。
平成23(2011)年4月掲載
■参考文献
『田代町史』

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