子育て応援講座

平成26年08月18日  第2回◆家庭や地域が取り組む「ふるさとキャリア教育」

児童期編  講師:「児童期からのキャリア教育」山本多鶴子 講師

 最近のニュースで「消滅可能性都市」の話題が出ました。秋田県では大潟村以外のすべての市町村がこの「消滅可能性都市」となってしまいました。少子高齢化、過疎化などの社会問題は何十年も昔から緊急、かつ重大な課題でありながら、歯止めをかけることはできていません。

 秋田県の子どもたちは学力、体力、体格が全国トップレベルであり、間違いなく“秋田の宝”です。しかし、この優秀な人材は高校卒業と同時に6割以上がふるさとを離れています。大館市を例にとると、20代の人口は60代の半分以下、80代よりも少ないのが現状です。手塩にかけて育てた優秀な人材が県外へ流出しているのはもったいないことです。

 これまで「夢や目標をかなえるためには、まず地元を離れること・・・」という進路指導をしてきた教育に責任があるわけですが、私たち大人が地元の良さや可能性を子どもたちに十分伝え切れていなかったのではないでしょうか。例えば、他県の方々から「〇〇市のいいところを紹介してください」と言われると「何もない」と答えてしまう大人が多いようです。これは、謙虚な県民性とも言えますが、大人が地元の良さをよく知らないのかもしれません。

 学校教育の中では、職業を広く知るための見学や体験を通して、子どもたちに夢や目標を育もうとしていますし、地域の中での体験により愛郷心や誇りを培おうとしています。そのため、地元出身の有名人の講話を聞く学習もキャリア教育としておこなわれていますが、何よりもの「キャリア教育」「ふるさと教育」は、地道に地域を支える仕事をしている人をはじめ、身近な大人が魅力あふれる生き方を見せることにあります。もし、毎日、職場の不平不満を言い、いやいやながら出勤する大人の姿を見て育ったら、子どもはきっと「そんなに大変なら、大人になりたくない」と言うでしょう。大人がやりがいをもって働く姿を見せ、働くことの大切さを語ることで、子どもは「働くこと」「生きること」を学んでいくのです。

 また、職業人の姿だけでなく、家庭の中で家事や育児に必死な姿、地域や町内の活動に積極的に参加し貢献する姿、仲間との関わりを楽しむ姿なども、人として生きていく上でぜひ見せたい姿です。

 そして、子育て家庭では、親が地域の中で子どもと一緒に活動し、地元のよさを実感したり、感動を共有したりすることで、「秋田に生まれてよかったね。」の言葉を我が子にかけることができます。まずは、大人が自分の仕事や生き方に自信をもつこと、秋田に誇りをもつこと・・・・これがそのまま子どもたちに伝わっていくと思います。
 
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イラスト:Lento

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