子育て応援講座

平成26年07月09日  第1回◆予防接種とその意味について

乳児期編  講師:「予防接種と感染症」伊藤晴通 講師

 これから3回にわたって、乳児期を中心に予防接種と感染症について説明します。
 
 まず今回は生後二ヶ月から始まる予防接種とその意味についてです。
現在定期接種となっているワクチンのうち、生後二ヶ月から接種が始められるワクチンはヒブ菌と肺炎球菌に対するワクチンです。どちらも乳幼児に重症感染(髄膜炎・敗血症)を起こすことで知られています。大きな問題は、一つに感染初期には診断しにくいことです。検査にも早期には現れにくく、小児科医泣かせです。急速に症状が悪くなることもあります。また、どちらの細菌もかなり以前から抗生物質に対する抵抗性が強くなってきていますので、口から飲ませる抗生剤では効かないことが多く、この点でも危険な菌です。幸い、予防接種でかなり有効に重症感染を抑制できますので、スケジュールに則って、なるべく速やかに接種を完了しましょう。大体四週間の間隔で3回うって、初年度は終了です。
 
以前から3種混合として受けてきたジフテリア・破傷風・百日咳のワクチンに不活化ポリオワクチンが加わり、不活化四種混合としての接種が進んでいます。1981年以後日本国内では野生ポリオの発生はなくなっています。しかし、パキスタン、アフガニスタン、アフリカの一部など、特に戦争の続いている地域でのポリオ発生は続いていて、何時日本に輸入されるか分からないため、ポリオの予防接種は続けるべきです。ジフテリアも日本での発生は2001年から2010年まではゼロとなっていますが、世界ではまだ発生の少なくない地域もあり、日本への輸入も懸念されていますので、続ける必要があります。破傷風は、予防接種でしか発生を食い止めることの出来ない感染症です。治療が遅れた場合の死亡率は高く、集中的に治療しても死亡率は相当高い感染症です。ただ、これらの感染症は今日では発生頻度は少なくなっています。それに比べて百日咳は、百日咳に罹っていると気がつかれない家族からの感染が多く、しかも予防接種を受けていない子供の重症化率は相当高くなります。四種混合も、生後三ヶ月になったらなるべく早く受けるようにしましょう。BCGが遅くなることを心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、これまでの経験から、家族など周りに結核の方がいなければ、上に述べたワクチンを優先するべきです。
 
 そしてなんと言っても、母乳育児と、予防接種が一通り完了するまで集団生活を遅らせることが重症感染を減らす最も重要な対策である事も強調したいと思います。

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