子育て応援講座

平成26年09月29日  第3回◆細菌感染症について

乳児期編  講師:「予防接種と感染症」伊藤晴通 講師

 第三回の話題として細菌(ばい菌)による感染症を取り上げます。
 
 こどもの時期に罹りやすい細菌感染症としては、溶連菌感染症、肺炎球菌感染症(特に中耳炎)、皮膚感染症(とびひなど)、マイコプラズマ感染症、腸管感染症(多いものとしてキャンピロバクター、病原性大腸菌、サルモネラ)、ヒブ菌、百日咳があげられます。

 溶連菌感染症は抗生物質による治療が標準となる以前には、猩紅熱と呼ばれ、心臓や腎臓に後遺症を残すことのある感染症でしたが、抗生剤による治療が一般的になった現代では、大きな問題を残すことは少なくなりました。しかし、軽い感染症になったからといって侮ることはできません。古典的にはペニシリン治療が標準とされていましたが、状況により、その他の抗生物質を処方する場合もあります。また、感染者の同居の家族の治療をどうするかは、まだ医学的に議論が完全には決着していません。筆者の経験では、のどが赤くなっていない乳幼児でも溶連菌の感染が少なくない事を経験しており、なかなか難しい感染症であると考えています。担当医師とよく相談の上で、飲み忘れの無い様しっかり治療して下さい。

 肺炎球菌は予防接種が普及したことにより重症感染は少なくなっていますが、乳幼児、特に保育園に通っている児童の中耳炎は家族の悩みの種になることが多いと思います。肺炎球菌が多くの場合に原因菌となっています。特に、免疫力の十分でない乳幼児では、耐性菌による感染が多くなっています。普段の中耳炎のないときの風邪の治療や、自然に治ってしまう軽い中耳炎の時にあまり抗生剤を使いすぎると、耐性菌の問題が起きてきます。無駄な抗生剤投与はなるべく避けることが徹底されたら良いと考えています。

 マイコプラズマは長引く咳の原因としてしばしば耳にされることと思いますが、
3歳児未満の乳幼児にはあまりひどい症状が出ることはありません。この菌にも耐性菌が増えたとの報告がありますが、専門家は、小児ではこれまで通りのマクロライド系抗生剤でまず治療を行って良いと述べています。ただ診断は、最近出た新しい検査を使っても、検出可能時期の問題もあり、簡単ではありません。筆者は診断自体に問題のある事が多いのではないかと考えています。

 腸管感染症とは、ここではつまり細菌性の胃腸炎と言うことですが、細菌だからすぐ抗生剤とは行かない場合もあり、担当医師とよく相談して治療を受けることをおすすめします。

 ヒブ、百日咳については一回目でも述べましたが、時期が来たらなるべく早いうちに予防接種を受けて下さるようお願いします。

 それでは感染症にお気をつけて、子育てを楽しんで下さい。

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