秋田桐

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箪笥(たんす)ナー七竿(さお) 長持ち八竿
長の道中を 頼みますナーヨー
箪笥ナー七竿 長持ち八竿
受け取りましたよ 貰いますナーヨー


 「秋田長持ち歌」にも歌われているように、かつて桐は「娘が生まれたら桐を植える」と言われたほど婚礼家臭材として重宝され、お祭りに履いた赤い鼻緒の桐下駄、お琴など身近なものであった。今は五三の桐や五七の桐などの紋所として知られている。
 ゴマノハグサ科の落葉高木である桐は、中国大陸が原産で、日本各地に栽培されている。幹は灰白色、五-六月初旬紫色の花を付け、三十センチほどの大きい葉がでる。生育が早く二十年ほどで立派な用材となる。(このため、娘が結婚する際に親が持たせるタンス、長持ちに加工できるという)



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秋田の桐は日本一

 北緯四十度、雪深い地で育つ秋田の桐は、一年の成長期間が短い(六-十月の約五か月)ため、木目が太く、色白で、木肌の美しさ、材質の良さが評価されて、国内有数の原木供給地となっている。
 また、秋田では国内唯一の桐共販市場が開催されている。
 湯沢雄勝桐振興組合と雄勝広域森林組合(東海林建組合長)が主催する桐原木市場は、昭和六十年から毎年開催されていて、十六回目の市場が今年は六月十六日開かれた。この日、地元湯沢雄勝産をはじめとする県内産の原木一、一八二立方メートル、一万二千二百三十二本が入札にかけられた。
 買い方は例年よりはやや少なかったが、遠くは奈良や石川、富山そして関東、東北各勉の製材加工業者や丸太屋さん(原木を扱う業者)三十一人が参加した。大量出品の市場であったが、不況による木材市場の低迷や外国産材の輸入増などの影響で落札率も昨年の七十五パーセントから約五十パーセントに下がり、最高価格も二八七、三二八円と昨年より二万八千円あまり下回った。
 桐は国内流通の八十五パーセント以上が中国や米国などの外国産材が占めており、価格競争では太刀打ちができないようだ。


有用広葉樹

 防湿、防水、防虫効果の高い桐はまた耐火性もある。そのほかに軽量で独特の光沢を持ち、加工もし易い。
 桐イコール高級家具のイメージが強いが、雄勝広域森林組合では、桐材加工施設を併設し、家具のほかに、天井板や壁板、押し入れ、床などの内装材、障子、フスマ、ドアなど建築部材、建具に加工し桐の高級感を味わってもらうことで需要拡大につなげようと一品一品手作りで仕上げている。秋田県桐産業振興会を設立し、会長を務める澤村滑三郎氏は、昭和四十七年ころから、杉の三分の一(約二十年)で伐期を迎え、約三倍の値段が付く桐の栽培を訴えて、「上手に育てて、上手に売ろう」を実証してきた。また同氏は地球環境の悪化、特に二酸化炭素(CO2)対策に、森林は最も有効であること、中でも生育の早い桐の活用を提言している。そして、一過性の植樹祭、育樹際をするのではなく、その後の追跡調査と一人一本でもいいから、「自分の木」を持ち三年、五年、十年と育てていく「養殖林業」を進めたいという。