まちの歌・村のうた

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花びらのせてゆく玉川の
大曲市

 四十年五月、市制十周年記念に制定した。歌詞ははじめ一般から募集したが、適当な作がないために、同市角間川町出身の詩人本郷隆氏に依頼して作ったもの。作曲は同市藤木の佐藤長太郎氏(元大曲高校教諭)が担当した。

 (一)
 花びらのせて行く玉川(たま)の
 水面(みなも)をわたるそよ風に
 仙北の春たけくれば
 ひとしを白き駒岳(こま)の雪
 ああ 大曲 大曲
 この街に住むひとびとは
 みなうららかに花のよう
 笑顔(えがお)をかわす若い街
 (四)
 めぐる季節のいろどりよ
 丸子(まるこ)川に 尾根(おね)に ふる雪よ
 夏ともなれば哀歓を
 夜空にえがく市民(ひと)の知恵
 ああ 大曲 大曲
 この街に住むひとびとは
 みなほがらかに歌のよう
 たのしさつきぬ若い街

 このほか、昭和五年に作られ今も親しまれ歌われているものに『大曲小唄』がある。作者は郷土史家の故田口松圃氏、作曲者は『おもちゃのマーチ』で知られる故小田島樹人氏(花輪町出身)で、かつてブルーノータウトによって"もっとも美しいのは、橋のうえから見た夜の景色だ。これは景色でなくて、ほんとうの絵そのものだ。"と絶讃された丸子橋からみた雄物川風景をうたいこんだものである。その一章
 丸子橋ゆきゃ 柳が招く まねくサイサイ
 招く柳に春の雨 ドントセ


ああ花の輪も誇らかに
花輪町

 三十七年十一月三日の文化の日に、コロンビア歌手三鷹淳と青山和子を招いて盛大な発表会が催された『花輪町町民歌』は町民歌制定委員会が応募作を参考に作詞、これをコロンビアの作詞・作曲コンビである松本一晴、遠藤実の両氏が完成した。

 (一)
 明けゆく空にほほえみ立ちて 歴史を語る 山影親し
 十和田湖(みずうみ)近く 米代川(ながれ)も清く 朗々妙えに 声良鶏(とり)も啼く
 鹿角の都 平和郷 この町 わが町
 ああ花の輪も 誇らかに
 (二)
 みどりの大地 産業興り 丘には匂う 珠なすリンゴ
 稲穂の里も 人織る街も 希望を明日(あす)に 火と燃える
 鉱煙(けむり)はのぼる 資源郷 この町 わが町
 ああ花の輪も 輝やかに
 (三番は省略)

 なお、この町民歌と同時に、松本一晴作詞、遠藤実作曲による『花輪音頭』もつくられた。村田英雄、五月みどりと秋田県の生んだ民謡日本一田中アヱ子の三人の歌で、町民歌のレコードの裏面に吹込まれている。
 これまでの『花輪小唄』は、花輪線が全線開通し、第五十一回種苗交換会が花輪で開かれたのを記念して(昭和六年)作られたもの。高杉露星の作詞、小田島樹人の作曲である。


丸太まく声おばこのカスリ
二ツ井町

 町民歌はない。また町全体をうたい込んだ新歌謡もないが、同町麻生にある合川営林署天神貯木場(当時は七座営林署の管轄)で、二十九年に署員たちが職場を歌い込んだ『七座音頭』を作っている。この貯木場は秋田杉の美林を背景にした風光絶佳の地にあり、きみまち坂とともに観光に訪れる人も多いので署員による軽音楽団も結成されて、昼休みなどこの音頭を演奏して慰安したものである。
 作詞は能代の桜庭芳太郎さん、作曲は現在は能代営林署に勤務する小林繁久さんである。

 アラシドー 丸太まく声
 おばこのカスリ(アラサーノ)
 七座(ななくら)山は奥深く(コーラノサーデ)
 天神様にこだまして
 その名は高く なりわたる(ドッコイサーノー)

 アラシドー あまたの人に ほめはやされて
 嫁ぐ日のきたお杉のために 手なれて徴笑む杣子さんの
 今日はせわしい嫁化粧ア

 アラシドー 青いかげなら 七座山よ
 写る米代 水かがみ
 一さし二さし紅葉(もみじ)のかんざし
 流れて筏は きょうも行く


はるかに仰ぐ鳥海の頂きそめて
十文字町

 昨年秋の町村合併十周年記念に際し一般募集で制定した。応募四十一篇の中から、同町田屋の弾正光之助氏の作が入選ときまり、竹内瑛二郎氏が補作したものに大山会三郎氏(秋田北高校教諭)が作曲した。

 (一)
 はるかに仰ぐ 鳥海の 頂きそめて 日はのぼる

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 伸びゆく十字路 風かおり
 ああ建設の 歌もたからか 希望の町よ 十文字
 (二)
 皆瀬の流れ きよらかに
 うるおす田畑 果てしなく
 働く力も はつらつと
 ああ生産に 励む喜び 豊かな町よ 十文字
 (三番省略)

 なお弾正氏は、各地の町村民歌の募集に応募して入選作が多く、音頭、小唄なども手がけている。"ラジオの歌"では全国最優秀賞を受けており『未帰還者の歌』では衆議院議長賞を受けたこともある。


六郷の桜しみずしみずに影おとし
六郷町

 町民歌はまだない。そのかわり、三十九年に新生活運動指定町となったさい、その運動の一つとして町民の健康増進をとりあげて、だれでも気軽に歌え、踊れる歌として『六郷音頭』を公募した。
 四十余点の中から弾正光之介さんの詩を選び、高橋周蔵氏が補作し高橋武三氏が作曲した。

 (一)
 ハア 春がきたきた六郷の桜
 しみず しみずに影おとし 続くたんぼも 商店街も
 かすみぼかしの かすみぼかしの晴れ姿ソレ
 (以下繰り返し)
 六郷音頭で ひと踊り ソレひと踊り
 (二)
 ハァ 男意地なら自転車競技
 走るたんびに新記録 汗を流して 一息ついて
 飲んだしみずの
 飲んだしみずの味のよさソレ
 (四)
 ハア きょうも 吹雪か 五色の旗は
 あれは天筆 里模様
 見たか 聞いたか かまくら祭り
 竹の響きで
 竹の響きで 夜が明けるソレ

 なお藤間阿津紫さんによって振りつけされている。


平和の小鳩飛び交わす愛のふるさと
昭和町

 町村合併以来、新町建設の方向と町民団結をうたいあげる町民歌が各方面からのぞまれていたが、三十六年、秋田国体のさいウェイトリフティング競技が同町で行なわれることになったのを機会に、制定された。
 一般に募集せず、歌詞は全国各地の町村民歌の作詞で知られている同町大久保の黒沢三郎氏に、作曲は「秋田県民歌」の作曲者である秋田市の菅原良昭氏にそれぞれ依頼した。

 (一)
 奥羽の山の 雲晴れて
 平和の小鳩とび交わす
 ああ愛のふるさと わが昭和
  光の空も 建設の
  希望明るく こだま呼ぶ
 (三)
 さざ波うたう 琴の湖
 果てなき夢を いまえがく
 ああ虹のふるさと わが昭和
  絵巻を四季に織りなして
  とわに栄える 姿見よ


緑の森の風かおり
雄和村

 旧村意識を払拭して、雄和川の流れの如く、和をもって村の固い団結を表現しようとの意味から、町村合併直後の三十三年に村民歌が制定されている。
 作詞は秋田市内の詩人竹内瑛二郎氏、作曲は秋田大学教授の小野崎晋三氏である。

 (一)
 雄物の川の ゆるやかに
 大空きよく 映しつつ
 野山をうるおし流れるところ
 心もかたく 結びあい
 いつもあかるく 希望の道を
 進む雄和 われらの雄和
 (二)
 緑の森の 風かおり
 ゆたかにみのる 穂の波に
 朝露光り 輝くところ
 祖先のねがい うけついで
 ともにたのしく 郷土の栄え
 築く雄和 われらの雄和

 さらに三十七年は、村民の健全娯楽に供するため村民から歌詞を募集して『雄和音頭』を作成した。踊りも振付けされ、婦人会、若妻会などの催しで踊られている。

 雄物川から春風吹けば
 おぼろ月夜に桜が咲いてサテ
 老いも若きも 浮かれて踊る ホンニ
 雄和よいとこ 明るい村よ

岡部勇司氏の当選歌詞をNHK秋田放送局専属の歌平伊藤要氏が補作、同じく「のど自慢」の伴奏者で知られる鈴木富雄氏が作曲したものである。