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工藤華子さん(舞鶴酒造株式会社)

舞鶴酒造 工藤華子さん

杜氏になったきっかけ

横手市浅舞にある大正7年の創業の舞鶴酒造。現在は「田从」をメインに据えながらも、創業時からある「朝乃舞」の銘柄を今も守り続ける工藤華子さんが、秋田県内で初の女性杜氏になったのは平成12年のことです。
蔵元の長女として産まれた工藤さんですが、高校時代は家業を継ぎたくなかったと言います。敷かれたレールを進みたくないという気持ちから両親を説得し、東京へ出るならば農大でなければいけないと言われ、進学した先は東京農大短期大学の醸造科。そこで恩師と出会い、顕微鏡の中の小さな世界に魅了されたことが蔵を継ぐ道を選ぶきっかけとなりました。
また同期の中には工藤さんと同じように、酒蔵や醸造家業を継ぐかどうかで悩む女子学生も多く、そうした同期との出会いと交流も、この道を選んだきっかけのひとつだと言います。
現在は仕込みやお酒の分析といった酒造りから、出荷管理などの事務全般に至るまでを行っています。

女性杜氏としての苦労と喜び

舞鶴酒造の冬の様子家業を継ぐために地元へ戻ってきたものの、男性社会の酒蔵の中ではなかなか思うように働くことができなかったと工藤さんは言います。机上の実験だけだった大学生活から一変、「ここは遊びじゃないんだ」という蔵人からの厳しい視線を感じながらも、工藤さんはひたむきに努力を続けることで蔵人の男性たちと良好な関係を築きあげていきました。そうした努力が実を結び、お客様に「美味しいお酒を造ってくれてありがとう」と言われた時のことは、自分が当たり前だと思うことを続けてきて本当によかったと、強く印象に残っているそうです。
また県外の同業者の方には「どうしたらこんなに凄い酒が出来るのか」と言われたこともあり、特別なことをしてきた訳ではないが、杜氏として誇らしく思っていると笑顔で語ってくれました。
県内では未だ唯一の女性杜氏ということもあり、地元にいると「一人」であると感じることもあるそうです。けれども県外には同じ女性杜氏の仲間がいて、家庭のことなど女性同士だからこそ打ち明けられる悩みも、SNSなどで相談できるので心強いと語ってくれました。

これからの目標と女性へのエール

酒造りの様子「今までのように酒造りを続けていくこと、手を抜かないまっとうな仕事をしていくこと」と自信に満ちた目で工藤さんは言います。
「もしこれから杜氏になろうとしている女性がいればとても嬉しいし、異業種でも男性社会の中でチャレンジする女性が困難な壁に直面したときは、相談相手として力になりたい」と語ってくださいました。

舞鶴酒造株式会社

●横手市平鹿町浅舞字浅舞184
●電話 0182-24-1128
●HP http://www.osake.or.jp/kuramoto/30maiduru.html