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秋田で医療を始める先輩たち

齊藤崇 先生(循環器内科)

秋田組合総合病院 副院長 齊藤 崇 先生(卒後研修管理委員長)

 臨床研修義務化元年となった平成16年、当院への応募者はなんと「0」、まさしくゼロからのスタートでした。

 しかしその後関係各位の必死の努力が実り翌17年は定員の3倍を超える応募がありマッチング100%を達成しました。
指導医が情熱をもって接すれば研修医はやってくる、先輩達が生き生きと頑張る姿をみせてくれればさらにその後輩達がやってくる、要するに「人が人を呼ぶのだ」ということだと思います。

 18年度から定員を4人から10人へと一挙拡大という強気の勝負に出ましたが、再び100%を達成して、我々自身が驚くほど瞬く間に県内最大の研修病院となりました。

 20年5月現在、初期研修22名(大学病院からの委託も含む)、3~5年目の後期研修医7名の大所帯となっています。病棟や救急センターには常に若いドクター達が詰め、患者さんのもとに足繁く通うこともあって各病棟の「医療過疎」も大幅に改善され、院内の雰囲気が明るくなった様子はほんの数年前までに比しまさしく隔世の感があります。

 「研修病院 teachinghospital」への脱皮は「病院の空気」を変えるだけでなく、各種マニュアル、ガイドライン作成などの指導内容点検、医療安全体制の見直し等を介して病院医療の質を変え、職種間連携・チーム医療態勢整備にもつながります。

 また、研修を通して従来十分とは言えなかった県内研修病院間連携の機運も大いに高まってきており、昨年からは合同研修医カンファランス (JOINT CASE CONFERENCE for Young Doctors In Akita:秋田市内5病院)、県内全研修医によるワークショップであるレジデンドスキルアップキャンプ(秋田県臨床研修協議会主催)などの企画もスタートしました。

 巷では、研修制度が「地域医療崩壊」の引き金となったとの言説が喧伝されていますが、研修義務化のはるか以前から地方の医師不足はあったし、私は本来全く別の次元の話であると思っています。

 制度の瑕疵は多々あるにしてももう決して後戻りはできないし、この状況をネガティブに捉えるのではなく、むしろ「地域医療」を救う道は県内における研修の充実強化によって地元で頑張る若手医師を育てる以外にはないのだと思っています。

2008年06月