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語りを聞く

甚兵エ川原自治会 会長(平成23年度) 田原(たわら)久雄さん

画像:甚兵エ川原自治会 会長(平成23年度) 田原(たわら)久雄さん

  「生まれてから、ずっと、どこさも出たことないな」と話すのは、平成23年(2011年)の1月から自治会長を務めている田原(たわら)久雄さんです。平成23年は通常の自治会活動と異なり、新しい出来事がありました。7月から始まった鹿角市と秋田看護福祉大学とのワークショップは、甚兵エ川原(じんべえかわら)集落に小さな変化をもたらし始めています。

 「自分たちのことは当たり前すぎて、何が良くて何が悪いのかわからない」。少子高齢化が進み、自治会の組織全体でも住民が集まる場が減ってきていますが、「このままでは先がない、やってみようか」と、田原さんはワークショップを通じ「何か見つかるかな」という希望を抱いています。

 生まれも育ちも甚兵エ川原の田原さんは、毛馬内(けまない)中学校を卒業してすぐに集落の青年会に入りました。40年ほど前は青年会活動が活発な時期。旧十和田町では、各集落の青年会が集まり「十和田連合青年会」という組織を作っていました。
田原さんは、連合では文化部を担当し、運動会やクリスマスパーティー、十和田町毛馬内の月山神社祭典での社交ダンスなど、様々な行事を企画していました。

 思い出深いのは、20歳代の時に自身が発案した甚兵エ川集落の運動会です。
「青年会として、自治会とも繋がりをもたなければ」と長老たちに提案すると、「やりたいことをやれ」「行き過ぎれば俺達がブレーキをかけるから」と快く受諾してくれました。しかし決めた運動会の日時は何と8月16日。「この忙しい時期に何が運動会だ!」と長老たちにこっぴどく怒られましたが、「でも、いい」と、田原さんは自分の「わがまま」を通しました。

 8月16日という日程には意味があります。田原さんの目的は「皆を集めること」。他の集落では、田植え後のさなぶりなど、住民全員が集まる行事がありましたが、甚兵エ川原集落にはそういう機会がありませんでした。「怒られたけど、皆、楽しんでくれた」お盆の16日の運動会に合わせて帰省してくれる人もいたといいます。

 現在、運動会は休止中ですが、「これからは、自治会館に集まってみんなで何かしたい」と話す田原さん、演芸会や運動会のような「娯楽」を、集落の皆で共有できないかと地域づくりに取り組んでいます。

2012年5月掲載

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