納豆汁は、鹿角市の甚兵エ川原(じんべえかわら)地域をはじめ、毛馬内(けまない)地域周辺でよく食べられています。

 しかし、その納豆汁の出汁や具材になるのはなんと「サメ」。サメの切り身をサイコロ大に切ってジャガイモ、大根、人参、そして金時豆を入れます。忘れてはいけないのが山菜。冬に旬を迎えるサメに合わせて、塩蔵したり缶詰にして保存しておいたものを使います。

 どろっとしていても「汁物」といった感じを受ける納豆汁ですが、ここ甚兵エ川原の納豆汁は、具だくさんの「おかず」になります。正月に合わせて食べられますが、なんといってもサメ!のインパクトには驚かされます。

 昔から、内陸部だった甚兵エ川原では、魚が手に入りにくく、唯一入手できたのが「サメ」でした。冬場の貴重なタンパク源だったサメの食文化を伝えるレシピの一つともいえます。

平成24(2012)年5月掲載

こちらの記事もおすすめです

甚兵エ川原地域の取組

  鹿角市甚兵エ川原(じんべえかわら)地域は、旧十和田町の最北端に位置します。古くから小坂町の小坂鉱山との結びつきが強く、住民の皆さんは小坂鉱山で働き、小坂町の市日(朝市)にも商品を出して生活の糧としていました。  ...

地域活動

地域団体

色カブの漬物

 食紅を落としたように鮮やかな赤色をした漬物が目をみはります。普通の「白いカブ」を漬けたという漬物は、しそ漬けにしたわけでも、食紅を使ったわけでもありません。  鮮やかな赤色の正体は「色カブ」という、赤いカブです。...

漬物

いとこ煮

 「いとこ煮」は、小豆などを煮た煮物料理のことで、北陸や山口県の萩市でも有名ですが、鹿角の伝統料理でもあり、ここ鹿角市甚兵エ川原(じんべえかわら)地域でもよく食べられています。  冬至に食べるとその年の冬は風邪をひ...

郷土料理