画像:石崎遺跡

 石崎遺跡は、西野地域のすぐ西側に広がる広大な遺跡です。現在は、五城目町指定の史跡として石崎地域の田んぼの真ん中に標柱があり、水路の壁面に出た遺跡の一部を見ることが出来ます。
 
 昭和42年(1967年)から昭和48年(1973年)にかけて、五城目町教育委員会によって3回の発掘調査が行われました。
 
 遺跡は一辺約446mの四角形をしており、周囲を木の柵で囲われていたと考えられています。発掘調査では、柵の他にも3本の丸柱を中心とする「のろし」を上げる櫓(やぐら)と推定される建物も見つかっています。その遺跡の形状は、古代秋田の城柵「秋田城」「払田柵」を思わせます。
 
 五城目町教育委員会『石崎遺跡発掘調査既報』によると、遺跡の年代は奈良時代後半にまでさかのぼり、平安時代後半まで存続していました。奈良・京都を中心とする朝廷の出先機関と考えられ、出羽北部の秋田方面で重要な軍事的・政治的役割を果たした施設と記されています。
 
 石崎遺跡がまだ実在していた当時、朝廷とは別の独自のコミュニティをもっていた蝦夷(えみし)と呼ばれた北方の民族と、朝廷が接する最北の城柵という性格をもっています。
 
 これからの調査によっては古代史の重要な発見があるかも知れない、そんなロマンを秘めた遺跡です。 
平成26(2014)年5月掲載 

 ■参考文献
『五城目町史』

こちらの記事もおすすめです

西野町内会

 五城目町の西野町内会は会長、副会長、会計の三役を始め、10名の理事が「事務局」「生産部」「道水路部」「厚生部」「保健体育部」の5部門に分かれて活動をしています。    「事務局」は西野公民館の管理や郷土文化の保...

地域活動

地域団体

西野地域の「百万遍念仏」

 五城目町西野地域の百万遍念仏は、毎年、春彼岸と秋彼岸の2回、老人クラブのお母さんたちが行っている行事です。戦死者、先祖の供養を祈り「数珠回し」が行われ、数百年も前から受け継がれてきました。    会場である西野...

伝統行事・イベント

季節の行事

八幡神社と3つのお祭り

 五城目町西野地域に鎮座する八幡神社には四百数年の歴史があります。 3月に「祈年祭(きねんさい)」、9月は「例大祭」、11月に「新嘗祭(にいなめさい)」と、三つのお祭りが毎年執り行われています。祈年祭には神様に一年...

伝統行事・イベント

伝統行事