画像:水神様の大欅(けやき)

 藤里町大沢地域の中心部に、ひときわ目立つ大きな木があります。

高さ約21.2m、幹周り8.2mの大木は「水神様の大欅」と呼ばれ、集落会館「けやきの館」の名の由来にもなっています。また、毎年11月に行われる地域の文化行事も「けやき祭り」と名付けられ、地域のシンボルになっているのがよく分かります。

 樹齢は不明ですが、古来より千年木としてあがめられており、平安時代の武将・坂上田村麻呂がその木の下に湧く水でのどの渇きを癒やしたと伝えられています。

 第二次世界大戦末期、物資の不足から大欅にも危機が訪れました。海軍によって船の用材にされそうになりましたが、当時の兵事係(軍事を司る行政職員)が別の場所を案内し難を逃れたと言われています。

 その大きさから昭和30年(1955年)に、秋田県の天然記念物に指定されました。

 現在も木の根元には水神様が祀られており、地域の皆さんから大事にされています。

平成26(2014)年5月掲載

■参考資料
現地説明看板
藤里町誌編纂委員会『藤里町誌』

 

こちらの記事もおすすめです

大沢自治会と大沢地区活動推進協議会

 藤里町大沢地域には、昔からある地縁組織「大沢自治会」と、行政と地域をつなぐ「大沢地区活動推進協議会」の組織があります。両組織は互いに協力して地域活動を支えています。  大沢自治会は「共有の山林の管理」、「芸能...

地域活動

地域団体

大沢壮士舞

赤穂浪士を舞う「大沢壮士舞」 「大沢壮士舞」が藤里町大沢地域に伝わったのは明治30年頃と言われています。当時、諸国巡業していた男女数名の武芸者が大沢地域に立ち寄った際、剣、槍、長刀などの武技を披露し、戸嶋ミナさん...

伝統行事・イベント

郷土芸能

なんこ(もつ煮込み)

馬肉と牛肉のホルモン料理「なんこ(もつ煮込み)」 藤里町大沢地域の名物料理の一つに、牛のホルモン「せんまい」を使う「もつ煮込み」があります。大沢地域の皆さんは「もつ煮込み」を「なんこ」と呼びます。外見がもしゃも...

郷土料理