秋田を味わいたい!

あきたの鍋シリーズ しょっつる貝焼き

 ちろん魚醤は秋田だけのものではない。石川県の能登半島にはイカの内臓から作られる「いしる」とイワシから作られる「よしる」。香川県にはイカナゴから作られる「いかなご醤油」などがある。アジア各地にもあり、ベトナムには「ニョク・マム」。タイには「ナンプラー」、フィリピンには「パテイス」などがある。最近のエスニック料理ブームで、これらの魚醤じゃ新たな調味料として脚光をあびつつある。

 て、秋田の「しょっつる」、多くの人は秋田名物のハタハタが原料と思い込んでいるようだが、ハタハタ以外の魚でもしょっつるは作られる。タイやヒラメなどの高級魚でも作ろうと思えば作れるが、誰もそんなバカなことはしない。とにかく大量に水揚げされて値段の安い魚が原料となる。だからイワシ、コウナゴ、アジ、アミなどさまざまな魚がしょっつるとなる。


 和30年代から40年代にかけてハタハタの大漁が続いた時は、確かにハタハタが原料となることが多かった。しかし、その後ハタハタは、不漁が続き高級魚となってしまった。そのため最も味がよく、臭みも少ないといわれたハタハタのしょっつるは、幻の味と化してしまった。平成13年以降、ハタハタ資源の回復と共に一部の加工業者がハタハタのしょっつるを作り始めたが、出回っている量はかつてのように多くはない。

 

 在市販されているものは、容器の原材料名さえ見れば何のしょっつるなのか一目でわかる。しかし、ハタハタのしょっつるでないからといってガッカリすることはない。どの魚のしょっつるもそれぞれに特徴があって十分においしいのだから…。

 置きが長くなってしまったが、「」の作り方を紹介しよう。

観光ガイドブックやグルメガイドには、ホタテの貝殻に1~2匹のハタハタが横たわったお上品な「ハタハタの」が紹介されているが、ホタテの貝殻にもハタハタにもこだわることはない。ハタハタ漁をする漁師さんたちが番屋で食べる時はアルミ製の大鍋を使うのがほとんど。大鍋で大量に作った方がおいしいと漁師さんたちは言う。とにかくしょっつるを入れさえすれば、、しょっつる鍋なのだ。

 ょっつるは、とにかく臭くてしょっぱい。何の匂いに似ているかといえば、くさやに近い。最近はこの臭みを押さえた製品も出回っているが、それでも初めての人はこの鼻をつく臭みに顔をしかめる。狭い部屋の中で漁師さん手作りの昔ながらのしょっつるを使って鍋をしようものなら、部屋中に強烈な匂いが充満し息苦しくなるほど。

 ょっつるは基本的に昆布やかつおぶしで取っただし汁に少々加えるようにして使う。間違っても、しょっつるだけで調味しようとドボドボ入れたりしないこと。初めて使う人は、だし汁にしょっつる少々、塩少々。これで十分だ。隠し味のつもりでごく少量から試していただきたい。

 ょっつるをベースにした汁ができたら、後はお好みの魚や野菜を入れ、煮えたものから順々にいただくだけだ。魚はハタハタが入手できない時はタイ、タラ、カワハギなどの白身の魚がいい。最近は魚の代わりに豚肉や鶏肉を使う家庭も増えているようだ。


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