秋田を味わいたい!

あきたの旬材 つくだ煮

 琶湖に次ぎ日本第二位の広さを誇った八郎潟は、海水と淡水が混じり合い魚たちにとっては絶好の生息地。コイ、フナ、ウナギ、ボラ、セイゴ、ワカサギ、シラウオ、ゴリ、エビ、カレイ、ナマズなど40種類近くの魚が生息していたといわれている。 水揚げされた魚は周辺の地元町村はもちろん、秋田市から仙北郡、平鹿郡、雄勝郡、北は阿仁の奥まで行商人たちの手によって運ばれていた。また、八郎潟周辺には潟の小魚を原料とする加工業者が多く、最盛期には55軒もの加工業者が、かなりの量のを作り、県内外に出荷していたという。

 の豊かだった八郎潟も戦後の食糧難などの事情から干拓が決定され、昭和32年に着工。総事業費652億円をかけて昭和52年に完工した。



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 つての広々した八郎潟は潟の南に残った調整池と、新しく誕生した大潟村を囲う承水路だけになってしまったが、所々に点在する船着き場や水辺に群生するアシに当時の面影をしのぶことができる。干拓によりその面積は激減してしまったが、残存湖はまだまだ魚の生育に適した所。現在でも潟漁師たちにより、さまざまな漁が行われている。

 郎潟の魚は味が淡白で、煮てもあまり色が黒くならないところから、には最適の素材といわれている。この魚を原料として昔ながらの製法で作られているのが、八郎潟名産のつくだ煮だ。

 

 


 「今の工場は潟から離れた場所にありますが、昔は潟の近くにありました。工場に直接船が着いて魚を下ろしたもんです。その新鮮な魚を、ざっと水洗いしてそのまま釜に入れて仕上げました。生のまま一気に炊きあげるから『生炊き』といわれるようになったんですね」。昭和町の「菅英佃煮本舗」の菅原さんが説明してくれた。

 の八郎潟の「生炊き」に対し、新鮮な原料の入手が難しい他産地の工場では、二回に分けて加工するところもある。新鮮な原料の入る現地でさっと煮て一時保管。それを工場に持ち帰り二次加工して完成させるというわけだ。

 在、八郎潟産の小魚を原料にして昔ながらのを作り続けている加工業者は約十軒。漁に出た船が船着き場に着くころを見はからってトラックで魚を集め、そのまま工場に直行。「生炊き」の伝統を守り続けている。

 


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